厳冬期?の六百山

2月5日から7日まで、従業員3人と、上高地に行ってきました。 昨年の11月の山じまいの飲み会で、酔っぱらった私は、2月にウインターミーティングを西糸屋の冬季小舎でやるのだと、のたまったらしいのだが、本人には記憶がなく、スマホに記録されていた(^_^.)

さて、沖縄でサトウキビを刈っていたA君、松本在住のやはりA君、そして茨木から駆け付けたS君のアラサー(若い!)の三人と朝四時にコンビニで待ち合わせて、車一台で上高地へ向かう。昨晩は、銀行の新年会に出ていた私をはじめ、遅くまでクライミングジムで登っていた2人と夜のバスで遅く着いた1人は皆寝不足である。

釜トンネル上の工事があり、当然釜トンネルから歩きで、河童橋へ。前日は雨で、今日は晴れて、とても冷え込むということだったが、意外と暖かく、トレースを外すと潜ってしまう。ちょっと不安を覚える・・・

焼岳

7時ころ河童橋に着く、いい天気だが、意外に雪が少ない。焼岳に日があたってきてきれいだ。

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河童橋の上は、人の足跡は無く、静寂そのもの! メンテ用の冬期小舎に向かうが、ボソボソと潜ってしまい、体力を消耗する。小舎に余分な荷物を置いて、いよいよ、公衆トイレの下から、中畠沢に入ってゆく。もちろん潜るので、わかんを付けているのだが、雪の状態が悪く、時々ずっぽり潜る。年寄りには辛い登りだ。

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ルートを知っているのは私だけなので、ガイドなのだが、皆の後を、ゼーゼー言いながら、遅れて付いてゆく情けないガイドだ。それでも、やがて、樹林帯を抜け、沢に入ってゆくと、デブリ(雪崩の跡)となり、沈まなくなってきたので、ちょっと復活!アイゼンを付ける。登るにつれて、後方の穂高がどんどんせりあがってゆく。2月の沢は、普通は入ってはいけないのが常識だが、この沢は、日が当たらないし、父とスキーの練習で2月にもよく来ていたから、大丈夫かどうかの判断はできる。

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もうすぐ稜線なのだが、沢は氷化してカチカチとなってきたし、時々カラカラと氷が上から落ちてくる。この上もアイゼンで快適に登れると思っていたが、ここからが大変だった。表面は堅い最中雪、中はグラニュー糖のような雪、全然進まなくなってしまった。なんとか稜線にでたものの、状態は変わらない。アイゼンとわかんを両方付ける技をつかってもダメ・・・

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なんとか、雪をだましだまし登ってゆくが、不安定なことこの上なし。時間もタイムリミットの13時に近づいてきた。

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頂上手前のピークで、今日はよしとしよう。標高差で100Mだが、無理して登っても、帰りがつらいし、なんといっても、隊長の私の体力がもたないだろう(^_^.)  しかし、2月とは思えないほど暖かい。風もなく、昼寝をしたいくらいだ。下りに、安全のため、1ピッチだけ、45Mのロープフィックスしたが、下りとなると、皆早い。さっきまでバテていた私もうそのように、バンバン下る。氷化した部分の下りには慎重に時間をかけたが、日が高いうちに河童橋に着いた。

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雪は少なめだが、やはりここからの景色は別格だと思う。 冬期小屋に戻り、水汲みをしたり、ストーブに火を入れたり、生活できる準備を整え、まずはビールで乾杯!

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次の日は、打って変わって、湿った雪が降っている。今日は、施設の見回りをして、その後は、クロカンのスキーで遊ぶ予定だったが、世の中そんなに甘くない。裏を見に行って驚いた! いつのも2倍の雪が一階の食堂の上に二階の屋根に届くほど載っていて、建物が潰れては大変と、急きょ雪おろしとなった。いつもは一人だが、こんな時4人でやると仕事がはかどる。)^o^(

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なんとか雪を下し終わった。おじさんは、腰が痛くなってしまった。若い人と一緒のペースでやるとダメだと分かった。午後は、施設内の見回りを皆でやり、夕方には晴れてきたので、若い衆をクロカンをやってこいと追い出して、一人の時間に浸る。

翌日、下山したが、2月の平日というのに、30人くらいの人たちとすれ違ってびっくりした。

 

営業終了!

11月11日、お泊まりのお客様を、お送りして、本シーズンの営業を終了させていただきました。 天候には比較的恵まれ、土砂崩れなどによる交通止めも無く、上高地としては、平穏なシーズンだったといえます。

しかし、西糸屋では、大小2つあるボイラーが、両方とも壊れてしまうという、大変なアクシデントに襲われ、一時はお客様にお風呂にも入っていただけないかもしれない可能性もありましたが、業者の皆さんの献身的な、頑張りで、避けることができました。感謝です!

 昨年は、一昨年の4分の1まで落ち込んだ、外国(特にヨーロッパ)のお客様は、一昨年までの水準には程遠いものの、だいぶ戻ってきていただきました。

これから、慌ただしく、小屋締めを行い、16日頃には、下山の予定です。それまでライブカメラは稼働できると思います。HPをご覧いただいた皆様、本当に有難うございました。

忙しくて、ツイッターしかできなかったシーズン中ですが、これからは、ブログも更新できるようになると思われますので、宜しければ、ご覧ください。<m(__)m>

入山しました!

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4月17日、上高地へ入山しました。道路の除雪は終わってはいましたが、氷の轍で結構大変でした。しかし、一昔前は、当面の食料を持って、大正池あたりから歩いていたのですから、文句は言えません。

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河原沿いのベンチも半分くらい顔を出していて、連休の頃には、残雪も無くなりそうです。上高地の平では、樹林帯の中でも、50センチもありません。

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河原にも残雪がありましたが、氷の層はなさそうなので、早く融けてしまいそうです。

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毎年のことですが、お決まりの、雪堀りから始まります。雪が少ないとはいえ、新人の皆さんにとっては、大変かもしれません。皆さんの頑張りで、初日にも拘わらず、水源地の設置も完了しました。(^◇^)

2011年の外国客の減少と東電への補償請求

もうすぐ、3月11日、東日本大震災から1年を迎えます。 まだまだ、復旧とは程遠い現地の現実を見るとき、たいしたことができない自分にいらだちを感じる毎日です。

さて、西糸屋では、2007年度から毎年、国土交通省に、月別・国別の外国人客の宿泊数を提出させていただいているのですが、昨年は、本当に悲惨な結果でした。多くを占めるのは、英語圏のお客様で、特にヨーロッパの方が毎年増えてきていて、2010年に1300人くらいでしたから、営業日数の200日で割ると、毎日6人はいらっしゃった計算になります。

 団体客は、ほとんどいないので、ほとんどが西糸屋の英語のページから、メールでお申し込みになった方です。ところが、今年は、400人足らずとなってしまい、大幅な減収になってしまいました。特に、ヨーロッパの方の減少が激しかったです。ただ、10月には、増えてきたのが救いです。

3月11日以前、いくつかの個人の予約はメールで、承っていたのですが、震災以降、キャンセルになりました。「原発が怖いから」という、明確な御断りのメールもありましたが、飛行機が飛ばないとか、予定が変わったというメールが多かったし、皆、日本のことを心配してくれました。

毎年、日に2~5通は来る、予約のメールは、ぱったりと途絶えてしまったのです。確かにギリシャに始まった、ヨーロッパの信用不安もあるでしょう、でも、10月には少し回復しているのですから、原因は一つしか考えられません。チェルノブイリを知っているヨーロッパの人々にとって、どのくらい原発が脅威となっているか、日本に住んでいる友人のスイス人の元には、事故後一週間以内にヨウ素剤を本国政府から送ってきたことからも分かります。その頃、日本の政府のしたことと言ったら・・・(;一_一)

東電も、補償をしてくれるとのことでしたが、届いた封筒を開けると、3月11日以前に受けたお客さん(団体)の、それ以降にキャンセルになったという証明がなければならないということで、西糸屋のように、個人からメールで予約をお受けするところで、その後の風評?で、申し込みが無くなったのは、対象にならないとのことで、国土交通省に出した実績を見せても、難しいでしょうと言われました。

時間をかけて、無理やり請求すれば、もしかすれば、認められるかもしれませんが、もういいです。その分を、災害地の皆さんの補償に使ってください。東電の社内の経費の見直しもしっかりやってください。そして、本当のことを早く発表してください。

全室禁煙のお知らせ

2012年のシーズンから、西糸屋は、全客室を、禁煙とさせていただきます。今までも、相部屋の別館(山小屋スタイル)のお部屋は禁煙だったのですが、旅館タイプの本館も禁煙にさせていただくことになりました。

喫煙は、本館のフロント近くの喫煙所か別館の入り口付近でお願い致します。喫煙所には、煙を吸い取る、分煙機を配備させていただく予定です。愛煙家の皆さまのご協力を、お願い致します。

もう、30年ほど前になりますが、スイスの山岳ガイドさんの家に下宿をさせていただき、山を学んでいた頃、一般の人が利用する列車に乗ると、半分が緑のシートそして、半分が赤のシートに分かれており、中間に仕切りとドアがあって、びっくりしました。もう、その頃スイスでは、男性の喫煙率が落ち、女性が増えつつありましたが、全体でも、35%くらいだったと思います。

中央線の「あずさ」も、昔は、禁煙車があって、喫煙率が50%くらいになっているのに、禁煙車は2割程度しかなく、指定席は、禁煙車から埋まってゆきました。なんで、半々にしないのか、不思議でなりませんでしたし、突然、全車両が禁煙になってしまったのも、不思議でなりません。日本という国は変な国だと思います。

日本でも15年くらい前から、男性の喫煙率が落ち、女性の喫煙率が上がってきました。現在の日本の喫煙率は25%くらいになっていると思います。私自身は、タバコが吸えません。試してみたのですが、2本をまじめに吸い込むと、お酒を一升飲んだのと同じくらいのダメージを次の日に受けてしまうのです。どうせ、頭が痛いなら、長い時間をかけてお酒を楽しんで飲む方がいいと判断しました (^_^;

タバコは、百害あって一利なしといいますが、私はそうは思いません。確かに、肉体的には良くないし、受動喫煙の問題もあるのですが、精神的なメリットもあるのではないかと思うのです。

大学一年生の頃、山岳部の合宿で、3年生の先輩がトップで滝谷を登っていた時、先輩が墜落し、なんとか止めることができたのですが、テラスに下りてきた先輩は、タバコをとりだし、おもむろに吸い始めたのです。5分後、落ち着いた先輩は、何ごともなかったかのように、登って行きました。一年生にはトップはやらせないという規則があるのです。

卒業して、OBとして、一年生と瑞牆山の壁を登っていたとき、私は、情けないことに中間のエイドのピッチで、ハーケンが抜け、グラウンドフォールしてしまいました。胸をしたたか打ってしまった(後でひびが入っていたことがわかった)のですが、一年生にトップを登らせるわけにはいかず、中間にピンが2本しかないピッチを控え、落ち着かねばならぬと思えば思うほど、焦ってしまい、すぐに登り始めてしまったのです。なんとか、恐怖を押さえて登りきったのですが、タバコが吸えたらなぁと思ったことも確かです。

お酒で、人に迷惑をかけてしまったことが一度や二度ではない私がいうのも変ですが、車から、外に灰を落としている人や、灰皿ごと外に捨てている人を見ると頭にきます。最近では、お泊まりになるお客さんも、同室の人の事や子供の事を考えて、自主的に喫煙所に来て吸っていただいているのを見るにつけ、ちゃんとマナーを守って、吸っていただくならば、私は良いと思うのです。嫌煙家の皆さんからは、甘いといわれるかもしれませんが、吸う人と吸わない人がうまくやっていけるようになればいいと思っています。喫煙室といって、ガラス張りで周りを囲ってしまい、狭い中で大勢の人がタバコを吸っているのは、見ていて、なんか変だなあと思うので、そのようにはするつもりはありません。

山頂での一服や、食事の後の一服はおいしいそうですから、携帯用の灰皿や、吸わない人に対する気遣いを持っていただければ、全然OKだと思います。 上高地は、歩行中は喫煙禁止です。ここまで読んで下さった皆様には、そんなことは、あたりまえだと思っていただけるでしょう。

取りとめも無く、書いてしまいましたが、皆さまのご協力をお願い致します。<m(__)m>

やっと(^^ゞ ブログ始めました・・・

年末になり、皆様、お忙しいことと存じます。 このたび、やっとブログを立ち上げて、なんとかホームページ上に、変更情報を表示させることができたので、お知らせします。 しかし、なんといっても、ホームページのデザインは古く、春までにはなんとかしたいと思っております。長い目で見てやってください (^^;