1月17日現在の上高地

yake0117.jpg1月17日、例によって、施設の見回りと点検のため、上高地へ行ってきました。朝のうちは、曇っていましたが、すぐに晴れてきて、きれいな穂高連峰や焼岳を見ることが出来ました。風も無く、気温は0℃まで上がり、外に居れば気持ちがいいのですが、施設の点検なので、そうもいってはいられません。施設の中は、-5℃以下になっているので、寒いこと寒いこと・・・・

 西糸屋の裏1

雪の量は、本当に少なく、せいぜい50センチくらいしかありません。お正月は、とっても寒くて、-20度以下になったそうですが、風はあまり強くなかったようで、いつもなら、一階の屋根の近くまで積もっている吹き溜まりも、全然大したことがありません。

西糸屋の裏2

この2階の屋根も、風が強ければ、雪は吹き飛ばされているのですが、静かに積もったようで、しっかりと付いています。これが、落ちずに、3月となり、さらに積もって、下の部分が氷の板となり、滑り落ちるのが怖いです。

以前3月終わりに見回りに行ったとき、すべてが落下して、太いボイラーの煙突が折れてしまって、開業までに直すのに必死の思いをしました。

 まぁ、こんな感じで、冬の間に、何回か見回りに行き、施設の破損の危険を感じた場合は、その場で雪下ろしを行うこともあります。

最近の遭難について

今年も、お正月が明け、何組かの登山者(スノーボーダーも)が遭難して、救助を要請し、県警のヘリや、防災ヘリによって救助されたことは、記憶に新しいことと思います。 お天気を読んで(寒いのは当たり前)引き返していればという遭難も多かったと思っています。

私も、今や、冬に一回か二回しか3000mの冬山には登っていないし、現場のことは評論すべきではないというのが信条ですが、あまりにも、安易に携帯を使い、ヘリコプターを呼んでしまう、今の風潮を見るにつけ、一言申し上げたくなりました。

以前、足をくじいて、携帯で救助を要請し、民間のヘリしか出れないので、有料になるといったとたん、「それなら、自分で降りる」といって電話を切った登山者や、予備日を持たずに山に入り、会社に間に合わなくなるからと、ヘリを使ったという、言語道断な登山者の話は県警の皆さんからも聞いていました。

私も、山で落石を受け、足の骨にひびが入っていても、なんとか自力下山をしたり、足や顏に凍傷を負って、命からがら下山したことは一度や二度ではありません。 ねんざ程度なら、這いずってでも自力下山すべきと思います。 しかし、夜に、警察から電話がきて、西穂山荘からの下山中にねんざをしたとか、疲れて動けないとか、暗くなったから、来てくれとか、要請があると、救助に行かねばならない立場なのです。しかも、そんな時に限って、宿は満室で忙しいことが多いのです。

 今回も、低体温症になったという理由で、ヘリを呼んだが、実は食料や燃料が切れ、その後の天気が悪くなるからという理由で、危険な気象状態の中、防災ヘリを飛ばした登山者もいました。

いったい、ヘリをなんだと考えているのか? 最初から、登山計画の中に、やばくなったら携帯を使ってヘリを呼べばよく、それは、恥ずかしいことでもなんでもないと思っているのでしょうか? ヘリを飛ばすのに、どれだけの税金がかかるか考えてみれば、あまりにも、我儘なことだと思います。 一時長野県では、ヘリの燃料などの実費を請求すべきだという議論まで生まれたほどです。

少なくとも、冬山に向かうパーティーは、登山計画書を提出するのは当たり前として(でも提出率は30%以下)、吹雪の稜線を余裕を持って歩けるようなエキスパートを除いては、予備日と食料や燃料をその分持つべきですし、天候を読んで、エスケープルートを自らの力で降りることができることが最低条件。 携帯電話や、ヘリコプターは、それでも、どうしようも無くなったときに心の中に隠しておくものだと思います。もちろん、最悪の状態になる前の判断も大事ですが・・・

30年ほど前、ヘリのレスキューが当たり前だった(もちろん保険に加入)ヨーロッパの氷壁で、友人が登れなくなり、ヘリを要請したとき、あまりにも、件数が多いので、降りるためのアイスピトンと、長いザイルをヘリから吊り下げて渡しただけで、機材の費用は、後で請求されたことを覚えています。

自己責任という言葉がありますが、人に迷惑をかけないこと、セルフレスキューができないような、自分に不相応な山(これが判断できる人はそんなことはないだろうなぁ)には向かわないこと。行くなら、それだけの鍛錬を積んでほしいと思うのです。

まだまだ若輩者が、偉そうなことをいってすみません <m(__)m>

全室禁煙のお知らせ

2012年のシーズンから、西糸屋は、全客室を、禁煙とさせていただきます。今までも、相部屋の別館(山小屋スタイル)のお部屋は禁煙だったのですが、旅館タイプの本館も禁煙にさせていただくことになりました。

喫煙は、本館のフロント近くの喫煙所か別館の入り口付近でお願い致します。喫煙所には、煙を吸い取る、分煙機を配備させていただく予定です。愛煙家の皆さまのご協力を、お願い致します。

もう、30年ほど前になりますが、スイスの山岳ガイドさんの家に下宿をさせていただき、山を学んでいた頃、一般の人が利用する列車に乗ると、半分が緑のシートそして、半分が赤のシートに分かれており、中間に仕切りとドアがあって、びっくりしました。もう、その頃スイスでは、男性の喫煙率が落ち、女性が増えつつありましたが、全体でも、35%くらいだったと思います。

中央線の「あずさ」も、昔は、禁煙車があって、喫煙率が50%くらいになっているのに、禁煙車は2割程度しかなく、指定席は、禁煙車から埋まってゆきました。なんで、半々にしないのか、不思議でなりませんでしたし、突然、全車両が禁煙になってしまったのも、不思議でなりません。日本という国は変な国だと思います。

日本でも15年くらい前から、男性の喫煙率が落ち、女性の喫煙率が上がってきました。現在の日本の喫煙率は25%くらいになっていると思います。私自身は、タバコが吸えません。試してみたのですが、2本をまじめに吸い込むと、お酒を一升飲んだのと同じくらいのダメージを次の日に受けてしまうのです。どうせ、頭が痛いなら、長い時間をかけてお酒を楽しんで飲む方がいいと判断しました (^_^;

タバコは、百害あって一利なしといいますが、私はそうは思いません。確かに、肉体的には良くないし、受動喫煙の問題もあるのですが、精神的なメリットもあるのではないかと思うのです。

大学一年生の頃、山岳部の合宿で、3年生の先輩がトップで滝谷を登っていた時、先輩が墜落し、なんとか止めることができたのですが、テラスに下りてきた先輩は、タバコをとりだし、おもむろに吸い始めたのです。5分後、落ち着いた先輩は、何ごともなかったかのように、登って行きました。一年生にはトップはやらせないという規則があるのです。

卒業して、OBとして、一年生と瑞牆山の壁を登っていたとき、私は、情けないことに中間のエイドのピッチで、ハーケンが抜け、グラウンドフォールしてしまいました。胸をしたたか打ってしまった(後でひびが入っていたことがわかった)のですが、一年生にトップを登らせるわけにはいかず、中間にピンが2本しかないピッチを控え、落ち着かねばならぬと思えば思うほど、焦ってしまい、すぐに登り始めてしまったのです。なんとか、恐怖を押さえて登りきったのですが、タバコが吸えたらなぁと思ったことも確かです。

お酒で、人に迷惑をかけてしまったことが一度や二度ではない私がいうのも変ですが、車から、外に灰を落としている人や、灰皿ごと外に捨てている人を見ると頭にきます。最近では、お泊まりになるお客さんも、同室の人の事や子供の事を考えて、自主的に喫煙所に来て吸っていただいているのを見るにつけ、ちゃんとマナーを守って、吸っていただくならば、私は良いと思うのです。嫌煙家の皆さんからは、甘いといわれるかもしれませんが、吸う人と吸わない人がうまくやっていけるようになればいいと思っています。喫煙室といって、ガラス張りで周りを囲ってしまい、狭い中で大勢の人がタバコを吸っているのは、見ていて、なんか変だなあと思うので、そのようにはするつもりはありません。

山頂での一服や、食事の後の一服はおいしいそうですから、携帯用の灰皿や、吸わない人に対する気遣いを持っていただければ、全然OKだと思います。 上高地は、歩行中は喫煙禁止です。ここまで読んで下さった皆様には、そんなことは、あたりまえだと思っていただけるでしょう。

取りとめも無く、書いてしまいましたが、皆さまのご協力をお願い致します。<m(__)m>

電気自動車(リーフ)2

リーフに乗ってきての感想です。 まず、なんといっても、上高地で生業をやらせていただいているので、月に2000キロの女将の通勤にCO2を出さずに済むことがうれしいです。 一か月の電気代は、自宅の深夜料金が3,000円程度と上高地が2,000円は行かないだろうから、5,000円はかかっていないと思います。

 走行面では、機械音痴の、妻が乗りこなしているところをみると、限りなく「普通の車」なのでしょう。これは、設計者にとっては、目指すところであり、最大限の賛辞だと思います。 モーターのトルクが太いせいか、ノーマルモード(普段はエコモード)にすると、加速が素晴らしく良く、釜トンネルも楽々登ります。しかし、電気残量が目に見えて減ってゆくのを見るのは、あまり心臓に良くありません。一方、下りになったり、ブレーキを使うと、逆に電気残量が増え、航続可能距離も増えてゆくのは面白いです。

  PCやスマホを使う私にとっては、とっても楽しい車です。 プラグが繋がっていれば、どこからでも充電開始や、エアコン開始の命令を出せますし、電池の残量もチェックできますので、携帯電話にめったに出ない、女将があと30分で到着することも分かるのです。 前日以前の、走行記録も、PCの地図の上にプロットされてしまうのは、ちょっと・・・ 逆の立場でなくて良かった ^^;

 上高地の園路を走らざるをえない場所では、歩いているお客様に安全なように、低速になるとわざとモーター音を出すようになっているので、有り難いです。10年前から乗っている、会社のエスティマハイブリッドは、モーターモードでは音が出ないので、クラクションを使ってはいけない上高地では、窓から「すみません」と声を出しておりました。

 いいことばかりではありません。当然のことながら、航続距離が短いこと。これに伴って、エアコンを使うと、航続距離が短くなってしまうこと。冬は、「乗る前エアコン」機能を使って、プラグイン状態の時に暖め、別のバッテリーを使用する、標準装備の、ステアリングヒーターとシートヒーターを使っています。 しかし、夏は「乗る前エアコン」を使うしかありません。

 使い方を考えれば、十分実用になる車だと思います。 これから望むのは、やはり、バッテリーの大容量化と、エアコンシステムの改良です。 ただ、一台しか車を持つことができないならば、現在の最良の選択肢は、ハイブリッドかプラグインハイブリッドがいいと思われます。 一部の三菱iミーブや軽ワゴンのように、短距離に特化し、値段を抑えるのも一つの方法です。

 また、スマートグリッドではありませんが、非常時に、家庭の2日分の電気を賄うことができる、リーフのバッテリーを利用するシステムも、もうすぐ実用化されそうです。ともあれ、夢の車?に乗っているという気持ちも大事なのではないかと思います。

電気自動車(リーフ)1

2011年2月末に、リーフを手に入れてから、もう、18600キロも走ってしまいました。といっても、私は500キロ程度で、残りは女将が、松本から上高地への通勤に使っておりました。月平均2000キロ程度は走ったことになります。  設備としては、自宅(自家用車なので)に200ボルトの給電設備と、西糸屋にはもともと200ボルトがあったので、コンセントだけを設置しただけです。資料によれば、満充電で180キロは走るとのことですが、実際には、どこにも寄り道をしないで、上高地をギリギリで往復できる程度です。(120キロ)

  生鮮野菜や、花などを途中の安いところを探して、あっちこっち寄り道してから来ると、上高地に来ることにはもう、30キロ程度しか走れなくなるので、昼間仕事をしている間に、充電して、夜満タンで下山するようにしておりました。

 

冬らしくなりました。

やっと冬らしくなった、梓川沿い今日も、来春用に漬けた漬物を持っていったり、またも、忘れ物を取りに行ったりしてきました。前回とは違って、雪が降っていましたが、気温はマイナス4度で、それほど低くありません。積雪は10センチくらいだと思います。これから、強い冬型になりそうなので、かなりの積雪が予想されます。年末年始に山に向かわれる方は、雪が安定していないので、特に雪崩にはお気を付けください。

やっと(^^ゞ ブログ始めました・・・

年末になり、皆様、お忙しいことと存じます。 このたび、やっとブログを立ち上げて、なんとかホームページ上に、変更情報を表示させることができたので、お知らせします。 しかし、なんといっても、ホームページのデザインは古く、春までにはなんとかしたいと思っております。長い目で見てやってください (^^;